江戸川光照苑

食とくらし・管理栄養士のマル秘雑学

平成21年度マル秘雑学


平成22年03月23日
「キャベツ」について
平成22年03月16日
「桜」について
平成22年03月09日
「生姜」について
平成22年03月03日
「南瓜」について
平成22年02月23日
「食物繊維」について
平成22年02月17日
「コーヒー」について
平成22年02月09日
「いちご」のお話
平成22年02月03日
「恵方巻き」について
平成22年01月26日
「大根」について
平成22年01月19日
「小豆粥」について
平成22年01月12日
「春の七草」について
平成22年01月05日
「水菜」のお話
平成21年12月28日
「おせち料理」のお話
平成21年12月22日
「シジミ」のお話
平成21年12月15日
「春菊」のお話
平成21年12月09日
「レンコン」のお話
平成21年12月01日
「長芋」のお話
平成21年10月13日
「ニンジン」のお話
平成21年09月01日
西瓜(すいか)のお話
平成21年08月25日
熱中症について
平成21年08月18日
コラーゲンについて
平成21年08月11日
〜ナスとキュウリ〜
平成21年08月04日
夏バテを防ぐために
平成21年07月28日
枝豆について
平成21年07月21日
今が旬のマンゴー
平成21年07月14日
トマトの栄養
平成21年07月07日
トマトの歴史
平成21年06月02日
旬の食材・たけのこ
平成21年05月19日
新じゃがの効能
平成21年04月28日
キャベツの効用
平成21年04月07日
イチゴで健康〜っ

「キャベツ」
平成22年3月23日
「キャベツ」について
毎々、江戸川光照苑のホームページをご覧いただき、また、今週も「管理栄養士の○秘雑学?」にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。
春キャベツが出回っていますが少しずつ暖かくなっていることを実感させられます。
キャベツの原産地は地中海沿岸といわれています。日本には江戸時代の終わりころ伝来したとのこと。最初は食用ではなく鑑賞用だったそうです。
キャベツは和名で「甘藍」「カンラン」といいます。私も子供のころ田舎ではキャベツと言わず「カンラン」と言っていました。
キャベツの栄養で有名なのがビタミンUです。別名「キャべジン」。胃腸薬の名前にありますね。だからキャベツと呼ばれるようになったとか。ビタミンUは抗潰瘍ビタミンとも言われ胃腸の傷ついた組織の回復を助け潰瘍を抑える効果があるそうです。ヨーロッパでも最初は薬用だったとのこと。豚カツにせんキャベツ、焼き鳥にザク切りキャベツはとても意味があるんですね。ビタミンUは熱に弱いので生で食べる方が効果大だそうです。
そしてキャベツや白菜には独特の旨味がありますがこれが「グルタミン酸」。旨味調味料の素ですね。
春キャベツは巻きがやわらかで水分多く生でたべるのには適していると思います。火を通すにしても軽くでいいと思います。
そういえば北海道の雪の下にある「越冬キャベツ」は糖度が高いので有名になりましたね。
暖かくなり花粉が飛んだり寒暖の差が激しかったりしています。食生活に工夫しながら薬に頼らず胃腸や体を守っていきたいものです。

「桜」
平成22年3月16日
「桜」について
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春は様々植物の新芽がでたり虫や動物が動き出します。また卒業と新出発の季節ですね。
今回は食べ物?ではないですが春といえばやはり「桜」が最初に思いつきます。
原産はもちろん日本。桜には様々種類がありますが一番慣れ親しんでいるのが「ソメイヨシノ」です。江戸の染井村から広まったとのこと。場所はJR巣鴨駅近くに染井霊園がありますがその周辺と思われます。日本の桜の8割がソメイヨシノだそうです。ヨシノは桜で有名な吉野桜ですね。種類は別々ですが染井の吉野桜で「ソメイヨシノ」ということになったようです。
今年から気象庁の開花宣言はなくなりましたが例年より早く咲く様ですね。
食べ物では「桜もち」。生地が白玉粉、道明寺粉、上新粉、片栗粉、小麦粉など様々種類がある様です。大きく分けて道明寺粉を使った「道明寺もち」と白玉粉と小麦粉を軽く焼いた「長命寺もち」があります。長命寺もちは生地がクレープ感覚なので餅のように粘らないので粘りがダメな方にはよいのではないでしょうか。
八重桜の塩漬けが用いられますが葉の独特な匂いは好き好きですね。「クマリン」という芳香成分の影響です。
桜の葉に効用もあるようですが栄養というより見た目の良さが一番だと思います。
花言葉は「優れた美人」眺めていると心が美人になりそうな気がします。
バランスよい食生活で心も体も健康が最高の美人ですね。

「生姜」
平成22年3月9日
「生姜」について
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収穫は夏から秋ですが保存がききほとんど一年中ある野菜です。
生姜を食べるというと甘酢生姜、紅生姜などだと思います。添え物やいろどりと思っている生姜の効果についてです。
昔は薬用だったとのこと。
生姜の辛味はジンゲロンという成分。血液の循環をよくし内臓の機能を活発にします。食欲が出たり、発汗作用、利尿作用、新陳代謝をよくします。
料理にはすりおろしたり、千切り、みじん切りなどで使いますが肉の下味に生姜が入ると肉がとてもやわらかくなりますね。タンパク質をやわらかくする酵素があるそうです。
また、ショウガオールという香気成分は青魚や肉のくさみを消してくれます。鯖のみそ煮やポークジンジャーなどに使っていますね。
料理の他に、生姜飴、生姜入り葛湯、生姜茶、洋風にジンジャークッキーなどもあるそうです。
生姜入りの葛湯は体を温め免疫力を高める。風邪予防によいそうです。
様々工夫しながら健康第一で過ごしていきたいものです。

「南瓜」
平成22年3月3日
「南瓜」について
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収穫は夏から秋ですが保存がききほとんど一年中ある野菜です。
南瓜はどこから来たかご存知の方も多いと思います。戦国時代末期、カンボジア産のものをポルトガル人が九州に持ち込んだのが始まりとなっています。「カンボジア」が訛って「かぼちゃ」になったそうです。これが「日本かぼちゃ」です。もうひとつ「西洋かぼちゃ」は「栗かぼちゃ」とも言われますが幕末にアメリカから来た様です。日本かぼちゃは溝が深くゴツゴツしています。よくイラストになりますね。西洋かぼちゃは溝が極浅くツルッとした感じです。味は西洋かぼちゃのほうが甘みもありホクホクしているので生産量も人気も断然多いようです。日本かぼちゃは水分が多く薄味でねっとりしていますが、薄味の日本料理にはこっちの方がよく合います。
南瓜の色はカロチンという色素の為黄色くなっています。カロチンは体内でビタミンAになります。色の濃い南瓜ほどビタミンAが多く含まれます。
ビタミンAは肌荒れ、風邪の予防。角膜乾燥症、夜盲症などの眼病予防の効果があります。
冬至に南瓜を食べると健康でいられる。というのはうなずけますね。
収穫時より保存期間でデンプン質が糖質に変るため甘みが増します。赤みのあるものやヘタが枯れているものの方が甘みが多くなっています。
南瓜を濃い味付けで食べる方法もありますが南瓜本来の甘みがありますので素揚げや天ぷら、蒸し物もいいと思います。また砂糖や油脂をおさえてデザート系もいいでしょう。
また昆布のだし汁でゆっくり煮含めると味付けしなくても南瓜本来の味が生かせて美味しいです。
様々工夫して美味しく健康に過ごしていきたいですね。

「食物繊維」
平成22年2月23日
「食物繊維」について
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食物繊維、ダイエタリーファイバーとも呼ばれます。「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化成分の総体」とされます。主成分は炭水化物。エネルギーに換算されないので利用不可能な炭水化物と呼ばれています。
栄養面では昔は注目されませんでしたが現在では5大栄養素の次くらいに取り上げられています。食品の成分表示にもよく使われます。
具体的な名前でよく聞くのがセルロース、リグニン、ペクチン、キチンなどです。
水に溶ける「水溶性」と溶けない「不溶性」があります。
水溶性の働きは血糖値やコレステロールを下げる。善玉菌を増やす。脂肪を分解する酵素の働きをよくする。
不溶性の働きは便秘など整腸作用、有害物質を排泄する。高血圧防止。大腸ガンの予防にもなります。
多く含まれる食品としておから、切干大根、ひじき、玄米、ライ麦パン、納豆、寒天、ごぼう、たけのこ、レンコン、こんにゃく、さつま芋、里芋、りんご、なし、わかめなどです。
ただ、摂りすぎると体に必要な栄養成分も一緒に逃がしてしまうので注意しましょう。
大事なのは野菜なども含めバランスよく摂ることだと思います。

「coffee」
平成22年2月17日
「コーヒー」について
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コーヒー好きの方はたくさんいらっしゃると思います。また缶の自動販売機にもたくさんの種類のコーヒー類が並んでいます。コーヒー無しでは生きて行けない人もいるかも知れません。残念ながら私はコーヒーを飲まないのでその美味しさを上手く表現できませんが今回はコーヒーについて少しだけ書きます。
コーヒーの原産地はエチオピアとその隣接地、語源はトルコの「カーベ」からアラビア「クワーワ」を経て「コーヒー」となったとのこと。元々は「ワイン」を意味する言葉だったそうです。日本には江戸時代にオランダから伝わり蘭学者により「珈琲」と当て字されました。コーヒーはコーヒー豆を焙煎、挽いて粉末にし、水か湯で抽出した飲料となっています。コーヒー豆の産地はコーヒーベルトと呼ばれる赤道付近の地域で、世界中で作られています。なので、コーヒーの名前には国名、山域、栽培地名、積み出し港名など様々あります。歴史、種類、焙煎方法、飲み方、それにまつわる様々な出来事があまりにも多いので今回は割愛させていただきます。
成分で有名なのが「カフェイン」ですね。寝る前に飲むと眠れなくなると言われています。食後に飲むと消化液の分泌を良くし脂肪の分解を早める。代謝がよくなるので肥満防止になるそうです。また交感神経を刺激し血行をよくし疲れをほぐしてくれる。眠気を覚まし頭脳の働きを活発にしてくれます。
しかし飲みすぎると、胃を刺激し胃酸過多、血圧上昇、カフェイン中毒、自律神経失調などになる場合があるそうです。朝の一杯は刺激の少ないカフェオレにするとか食後は砂糖なしにするなど工夫されている方も多いと思います。リラックスしたり活力源になったり飲み方、使い方は様々です。
一杯のコーヒーでさわやかに過ごしていきたいものです。

「いちご」
平成22年2月9日
「いちご」のお話
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今頃いちご?と思われますがハウスいちごの旬は12月から2月です。クリスマス位からケーキ屋さんでかなり使われています。またスーパーや果物屋さんにはいちごのパックが並んでいます。本来の旬は4〜5月の春ですよね。色合いも緑と赤の対照色なので映えます。果物の人気ナンバー1だとか。確かに子供は一番先に飛びつきますね。
原産地は南米。日本には江戸時代にオランダ人によって伝えられました。栽培され食べられる様になったのは明治時代とのこと。日本ではまだ100年位の歴史なんです。
種類は女峰、とよのか、とちおとめ、あまおう、さがほのか、章姫など、大粒のものではアイベリーなど有名です。
「女峰」の栃木と「とよのか」の福岡が二大生産地になっているそうです。
ビタミンCの女王と呼ばれます。100g中に62mg含まれます。5個位食べれば1日の必要量が摂れてしまいます。洗う時にヘタを取ってしまうと水が入り水っぽくなるのとビタミンCが逃げてしまうそうです。ヘタはつけたまま洗いましょう。ビタミンCは風邪予防、疲労回復、肌荒れに効果あり。またアントシアニンは活性酸素を減らしがん予防。酸味に含まれるメチルサルチル酸はリューマチに効くとか。
いちごに牛乳をかけて食べるいちごミルクはビタミンC、カルシウム、タンパク質が手間なくとれます。いちごは傷みが速いので早めに食べましょう。
生食用いちごの生産量は日本が世界一だそうです。
ちなみになぜ漢字で「苺」と書くのか。元株からたくさんの子株を増やしていくので草かんむりに母と書くそうです。
風邪をひかない様ビタミンCもバランスよく摂っていきたいですね。

「恵方巻き」
平成22年2月3日
「恵方巻き」について
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最近よく耳にします。コンビニエンスストアやスーパーのチラシなどで見かけます。2月3日の節分に恵方を向いて巻きずしを食べると縁起がいいとのこと。恵方はその年の干支によって違います。ちなみに2010年の今年は西南西だそうです。
昭和初期に関西で始った風習とのこと。関東で知られる様になったのは最近ですね。
食べ方は巻きずしを丸ごと1本切らずに一言もしゃべらず話しかけられず一気に食べるそうですが、嚥下注意の私たちはゆっくり味わいたいものです。
当苑でも2月3日の夕食は恵方巻きになっています。具はきゅうり、厚焼き卵、桜でんぶ、カニかま、かんぴょう、たくあんの6種類です。日頃、お粥を召し上がっているご利用者もこの時は巻きずしを希望される方もいらっしゃいます。彩りと見た目が食欲をそそりますね。
「節分」とは季節を分ける意味なので年4回、立春、立夏、立秋、立冬の前日を言うそうです。立春の前日の節分だけ残ったと言われます。
2月3日の節分に当苑では他に殻つきのピーナッツで【豆まき】をしたり【鰯とヒイラギ】を出入り口に飾ります。
「豆まき」のときに「鬼は外」と言わず「福は内」しか言わない所もあるとか。自分の嫌なものを他人に回さないということでしょうか。
健康第一で「福」をたくさんため込んでいきたいものです。

「大根」
平成22年1月26日
「大根」について
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今年はとても寒い日が続いています。風邪などひかない様に気をつけていきたいと思います。
寒い時にはおでんの大根など温かいものが恋しいですね。今回は「大根」について。
大根はアブラナ科の野菜です。ハツカダイコンの様な小柄なものはヨーロッパ原産。中型以上のものは中国が原産といわれます。
弥生、奈良時代から栽培され「大根」の名前が使われ出したのが室町時代とのことです。なお、春の七草の「スズシロ」とは大根のことです。
種類はとても多く、有名なもので練馬、亀戸、三浦、宮重、大蔵、守口など。かぶの様な形の桜島、聖護院もあります。
とれる時期で夏、冬あり夏大根は辛味が強く、冬大根は甘みがあります。
栄養は風邪予防にビタミンC,消化を助けるジアスターゼという酵素を含むのは有名です。ジアスターゼは解毒作用や発ガン物質を解消。ジアスターゼのおかげで食べ過ぎても当たらないので「大根役者」という言葉もありますね。リグニンという繊維はガン細胞の発生を抑制します。リグニンは切り口が多いほど、時間が経つほど増えるので千切りサラダ。アミノ酸のメチオニンを多く含む食品と一緒にとれば効果倍増とのことなので刺身とつまの組み合わせは絶妙です。
大根は葉に近い方が甘みが多くしっぽに行くにつれ辛味が増します。用途に合わせ使いたいものです。
この時期おいしいのは冷たいなますもいいですが、ふろふき大根、ぶり大根、おろして雪見鍋などいかがでしょうか。想像していると食べたくなりますね。

「小豆粥」
平成22年1月19日
「小豆粥」について
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1月15日は小正月で朝食が小豆粥でした。当苑の小豆粥は米と小豆のみの塩味の粥です。美味しかったです。
餅を入れる場合もありますね。
小豆粥の前に小正月ですが元旦が大正月で15日が小正月。15日までが松の内になっている所もある。女性に休養して欲しいと「女正月」とも言われるそうです。昔の暦では15日が正月だったとか。一年で最初に満月になる日とか。15日は全国的に行事が多いそうです。まゆ玉作り、どんど焼きなど聞いたことがあると思います。
その小正月に「小豆粥」。小豆の赤は邪気を払うと言われています。歴史は平安時代からあるそうです。ちなみに「赤飯」は室町時代から。おめでたい日に小豆を食べる風習があったんですね。
小豆には便秘に効果のある繊維質、利尿作用のあるカリウムが含まれ余分なコレステロールや塩分を排泄します。解毒効果があるとも言われます。
また、「サポニン」という成分が腸を刺激し便通をよくします。尿の排泄を促し心臓病、腎臓病によるむくみをとったりします。サポニンは豆類に多く含まれ高麗人参、なまこ、漢方生薬の柴胡にも多く含まれるそうです。ただ弱い溶血作用もあるので大量にとることは好ましくないそうです。
米と小豆を炊いた「小豆粥」は米に不足するビタミンB1、B2を小豆が補う絶妙の組み合わせです。
美味しい小豆粥を食べると今年一年も健康でいこうと思います。

「春の七草」
平成22年1月12日
「春の七草」について
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1月7日は七草でした。当苑でも朝食に七草粥をお出ししました。内容は七草セットの他にせり、かぶ、人参、油揚を入れました。美味しかったです。
ところで春の七草は七種とも書かれます。せり、なずな、ごぎょう、はこべ、ほとけのざ、すずな、すずしろです。ごぎょうは母子草、ほとけのざはこおにたびらこ、すずなはかぶ、すずしろは大根だそうです。
覚え方に「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」短歌調で覚える方法もあるそうです。
歴史は清少納言の「枕草子」に七草粥らしい表現があり平安時代から習慣があった様です。
薬効成分あり薬膳ともいわれます。大根、かぶのジアスターゼが消化を助ける。青物が多いのでカロチンが豊富、ビタミンC、鉄、カルシウムなどが代表的な成分ではないでしょうか。
疲れた胃腸を整え、無病息災を祈って作る行事食が七草粥です。七草のほか餅を小さめに切って入れたりもするそうです。小豆やこんにゃくを入れる地方もあります。
ちなみに、秋の七草は「萩、尾花(すすき)、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう」です。主に鑑賞用とされています。
今年一年もバランスよく摂り健康で過ごしていきたいと思います。

「水菜」
平成22年1月5日
「水菜」のお話
新年明けましておめでとうございます。
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さて、今年最初の更新は、この時期に摂取したい食品「水菜」のお話です。京都が原産地である水菜は、江戸時代の初期から栽培が始まりました。肥料を使わずに水と土だけで作られていたことから、「水菜」と呼ばれるようになったようです(関西では、「壬生菜」と呼ばれています)。
水菜は、のどや鼻の粘膜を潤すビタミンA(ベータカロチン)を多く含んでいます。ビタミンAは、細胞のガン化を抑制し、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるといわれています。
このほかにもビタミンB・C・E・Kなどが含まれ、お肌の潤いを保つ効果があります。今のような冬場には、あかぎれ、しもやけ等の予防に有効です。鉄分が豊富に含まれているため、疲労しやすい方にもお薦めです。
また、水菜に含まれる葉緑素には、二日酔いや悪酔いを緩和してくれる中和解毒作用があります。 
水菜に含まれるカルシウムは、ホウレンソウの約3倍といわれています。食物繊維も豊富で、水菜特有の香りと辛みは、肉類の臭みを消す効果もあります。
年末年始で疲れた胃腸を休めるために、水菜入りのあっさりとした鍋料理などはいかがでしょうか。

「おせち料理」
平成21年12月28日
「おせち料理」のお話
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さて、今週は、今年最後の更新になりますが、もうすぐ迎える正月。その心を知る「おせち料理」のお話です。
おせち料理が現在のような形になったのは、江戸時代の後半頃です。そもそもは、宮中の「お節供(おせちく)」という行事に由来しています。そのしきたりが民間に広まるうちに、正月にふるまわれるご馳走のことを「おせち料理」と呼ぶようになりました。
おせち料理を代表する祝い肴の三種は、子孫の繁栄や健康・豊作を願った縁起ものです。これらがあれば、おせち料理の形式が整うとされます。
  1. 田作り 田畑の肥料にイワシを混ぜたことが由来です。五万米(ごまめ)とも呼び豊作を願います。
  2. 黒豆 日に焼けて真っ黒になるまでマメに(勤勉に/元気に)過ごせますようにという意味があります。
  3. 数の子、子孫の繁栄を願う意味が込められています。
また お屠蘇(とそ)は、中国・唐の時代に医者が作った飲み物に由来するといわれています。その医者の住居が「屠蘇庵」と呼ばれたことから、この名がついたようです。
もともとは風邪予防のために作られたこの飲み物が、一年間の無病息災を願う祝い酒として伝わりました。
おせち料理やお屠蘇などには、人々の様々な願いが込められています。共通しているのは、豊かに暮らすこと、家族の健康や繁栄への願いです。
家族が集い、感謝と祈りで新しい年を祝い、ご馳走を食べるというこの習慣に込められた「心」を知ることが大切なのかもしれません。

しじみ
平成21年12月22日
「シジミ」のお話
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さて、今週は、肝臓を元気に「シジミ」のお話です。シジミ汁が二日酔いに効果があるのは有名です。それは主に、シジミに含まれる必須アミノ酸の効用によるものです。シジミ汁にするとシジミの成分が溶け出し、味噌の持つ肝機能回復効果と相まって、二日酔いに一層の効力を発揮します。飲酒をしすぎると、アルコールを解毒するために肝細胞が損傷を受けます。
しかし必須アミノ酸を補給することで、肝細胞の主成分であるたんぱく質が合成され、これを修復してくれるのです。ただし、ひとつでも含有量が不足するアミノ酸があると、他のアミノ酸がたっぷりあっても効率が悪くなってしまいます。
その点、シジミはとても優秀です。バランスの取れた必須アミノ酸が含まれているだけでなく、カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富に含んでいます。さらにシジミは、低脂肪で消化・吸収がよいため、肝臓への負担も少なくて済みます。
忘年会や新年会などお酒を飲む機会が増え、体調を崩しがちな時期です。お酒を飲まれる方は、肝臓の働きを助ける栄養成分が含まれているシジミ等を摂取し、体力の維持を心がけましょう。

春菊
平成21年12月15日
「春菊」のお話
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さて、今週は、免疫力アップは「春菊」のお話です。春菊は、豊富な栄養素を含む優れた緑黄色野菜です。主に、ビタミンB1、B2、C、鉄分、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素を含んでいます。
特に、ベータカロチンは、ほうれん草や小松菜を上回る含有量です。そのため、抗酸化作用により活性酸素の働きを抑制し、ガン予防のほか、肌の老化を防ぐ美容効果もあります。
春菊の持つ独特な香りは、α―ピネンやベンズアルデヒドなどの成分によるものです。この香りは自律神経に働きかけ、胃腸を丈夫にしたり、咳を鎮めたりという作用があるといわれています。
また古くから春菊は、のぼせを鎮めて回復力や抵抗力を高める効果があるとして、漢方においても珍重されてきました。風邪対策としても効果があるようです。
鍋料理でよく見かける春菊ですが、煮すぎると独特の香りと風味が飛んでビタミンCが損なわれます。
鍋に入れるときには、煮過ぎないようにしましょう。

レンコン
平成21年12月9日
「レンコン」のお話
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さて、今週は、粘膜を保護して風邪予防に効く「レンコン」のお話です。糖質を主成分とするレンコンには、でんぷんやムチンという粘り気の成分が含まれています。
ムチンについては前回もご紹介しましたが、粘膜をうるおし、粘膜を保護する働きがあるため、胃潰瘍や胃炎の予防・改善、風邪やインフルエンザなどの感染症予防などに効果があるといわれています。
またビタミンCも豊富で、みかんの約1.5倍の量が含まれています。ビタミンCは熱に弱いのですが、レンコンはジャガイモと同じようにでんぷん質が多いため、加熱しても相当量のビタミンCが残ります。
さらに、野菜としては珍しくビタミンB12も豊富で、貧血予防や肝臓の働きを助ける効果があります。ミネラルでは、カリウムや亜鉛、銅、鉄を多く含み、不溶性の食物繊維が腸の働きを活発にして便秘を解消します。
また、不要な物質が体外に排出されることにより、コレステロール値が下がり、動脈硬化や高血圧の予防にも効果があるようです。昔からレンコンは、出血を止める作用があることで知られています。これは、タンニンと呼ばれる物質の作用によるものです。
このタンニンには炎症を抑える作用があるため、レンコンの絞り汁を飲むと、のどの痛みや胃潰瘍などを緩和してくれるそうです。
風邪をひきやすいこの時期、レンコンを体調管理に役立ててはいかがでしょうか。

長芋
平成21年12月1日
「長芋」のお話
毎々、江戸川光照苑のホームページをご覧いただき、また、今週も「管理栄養士の○秘雑学?」にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。
さて、今週は、新陳代謝の促進に・・・「長芋」が・・・のお話です。現在、栽培されている山芋のうち、3分の2が長芋です。長芋は、亜鉛やカリウム、鉄などのミネラル成分、ビタミンB群・Cなど栄養成分をバランス良く含んだ滋養食品です。
さらに、アミラーゼやジアスターゼ、ウレアーゼ、オキシターゼなど多くの消化酵素も含んでいます。
また、独特のぬめり成分は食物繊維の一種であるムチンによるもので、細胞を活性化させる働きがあります。そのため新陳代謝が促進され、老化の予防、肌荒れ、疲労回復、便秘の改善、ダイエットなどに効果的です。
このぬめり成分には、ブドウ糖などを体外へ排出する働きがあり、血糖値の上昇を抑える効果もあります。体外へ排出するのは糖だけでなく、腸内のコレステロールも吸着して排出します。
そのため、肝臓の負担が軽減されることが期待できる食材でもあります。こうした効用によって、長芋は中国では漢方薬として利用されているようです。日本では、普段の食事に採り入れることができます。
いろいろな調理法がありますが、すり鉢ですり下ろすと、細胞が壊れアミラーゼが摂取しやすくなることから、「とろろ」が効果的な調理法のようです。

ブロッコリ
平成21年11月24日
バランスの良い緑黄色野菜〜ブロッコリー〜のお話
毎々、江戸川光照苑のホームページをご覧いただき、また、今週も「管理栄養士の○秘雑学?」にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。
さて、今週は、バランスの良い緑黄色野菜「ブロッコリー」のお話です。ブロッコリーには、ビタミンA、ビタミンB1、B2などのビタミン群や、カロチン、鉄分、カルシウム、リン、カリウムなどのミネラルも豊富に含んだ非常にバランスの良い緑黄色野菜です。
特に多く含まれているビタミンCは、風邪予防・美肌効果・ガン予防・イライラ防止効果が期待できます。また糖の代謝を高め、糖尿病予防に効果があるクロムも含まれています。このほか、カルシウムの代謝を促進するビタミンK、胃や腸を守るビタミンUなども含まれています。
先日この「管理栄養士の○秘メモ?」でも紹介しましたが、ブロッコリーなどのアブラナ科の植物に含まれる辛み成分(スルフォラファン)に、ガン抑制効果があるということが分かってきました。
ガン予防のためにも、ぜひ適量を摂取したいものです。特に、発芽して三日目のブロッコリー(スプラウト)には、成長したブロッコリーの20〜100倍ものスルフォラファンが含まれています。もちろん、スプラウトの成分がすべてにおいて優れているわけではなく、ビタミンCや葉酸、食物繊維は成長したブロッコリーの方が豊富に含まれています。
ブロッコリーのスプラウトは、自宅でも栽培できます。さじ1杯の種で、ザルいっぱいの新芽が収穫でき、簡単で経済的です。一度試してみてはいかがでしょうか。

オリーブオイル
平成21年11月17日
「オリーブオイルの効用」のお話
毎々、江戸川光照苑のホームページをご覧いただき、また、今週も「管理栄養士の○秘雑学?」にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。
さて、今週は、油脂の摂り過ぎにご注意!「オリーブオイルの効用」のお話です。オリーブオイルには、70%以上ものオレイン酸が含まれており、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やすという働きがあります。これによって動脈硬化の予防効果が期待できます。
一方で、多くの植物油に含まれている成分はリノール酸で、悪玉と善玉コレステロール両方の値を下げる働きがあります。さらに免疫力も低下させてしまうことから、多くの植物油は、長所と短所を併せ持っていることが分かります。
またオリーブオイルには、酸化しにくいという特徴があります。これは、オレイン酸に抗酸化作用のあるビタミンEが含まれているためです。一般の植物油のような酸化しやすい油を摂取すると、体内で過酸化脂質という有害物質が発生し、動脈硬化や糖尿病などの原因になります。
地中海沿岸の人々は、ヨーロッパ内で比較すると、北欧地域の人々よりも心臓病の発症が少ないことで知られています。これは一つには、毎日のようにオリーブオイルを摂取しているためと考えられています。ただしもちろん、身体に良いからといって摂り過ぎると肥満の原因となりますので、注意が必要です。
日本人は、調理時やドレッシングなどの意識して摂取する油脂分よりも、お菓子などの食品で無意識に摂っている油脂分の方が多いとされています。つまり、自分では注意しているつもりでも、摂り過ぎている可能性があるのです。
食生活のバランスを取りながら、摂取する油脂分の種類や質についても考えてみてはいかがでしょうか。

ゴボウ
平成21年11月10日
「毒消し食品 〜ゴボウ〜」のお話
毎々、江戸川光照苑のホームページをご覧いただき、また、今週も「管理栄養士の○秘雑学?」にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。
さて、今週は、「毒消し食品」ゴボウのお話です。ゴボウは、ユーラシア大陸に広く自生しますが、日本には10世紀以前に中国から薬草として渡来したといわれます。
現在、ゴボウを食用としているのは世界でも日本と韓国だけといわれ、欧米人から見れば珍しい野菜のようです。
このゴボウは、ご存知の通り食物繊維の多い野菜の代表格です。水溶性食物繊維のイヌリン、不溶性食物繊維のヘミセルロース、リグニンなどの豊富な繊維質を多く含んでいます。
イヌリンなどの水溶性食物繊維には、悪玉コレステロールを排出したり、血糖値が急上昇するのを防ぐ働きがあります。そのため、動脈硬化や糖尿病の予防に役立ちます。一方、ヘミセルロースやリグニンは、多量の水分を吸収して便通を促します。中でも微量成分であるリグニンは、ガンの発生を抑制する作用もあるといわれています。
このほかゴボウには、ビタミンやミネラル類、利尿作用があるカリウムや、ホルモン分泌に役立つアルギニンも含まれています。中国では、解熱・解毒・せきを鎮める薬として利用されています。
ゴボウは、栄養価は少ない食品ですが、身体中の老廃物を分解して腎臓機能を高める効果があり、「毒消し食品」とも呼ばれます。このような働きをもつ食品も、意識的に摂取するよう心掛けたいものです。

白菜
平成21年11月3日
「食材の薬効 〜白菜〜」のお話
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さて、成分のほとんどは水分ながら、白菜には意外に栄養素もたっぷり含まれています。
葉の部分はビタミンCを多く含み、ほかにもカリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、食物繊維なども含んでいます。
また、アブラナ科の野菜(大根、カブなど)にも共通する辛み成分・イソチオシアネートが含まれています。このイソチオシアネートには、発ガン性物質の抑制や動脈硬化予防の効果があるといわれています。
最近の研究では、発ガン性物質である亜硝酸アミンの吸収や蓄積を抑制する「モリブデン」という微量元素も含まれることがわかってきました。
白菜の成分はキャベツとよく似ていますが、キャベツよりも糖質が少なく、ダイエット向きの食材といえます。
また、便秘の改善を促す食物繊維が含まれる上に、漬物にすると乳酸菌などの腸内細菌ができ、整腸効果も期待できます。白菜を煮ると体内の余分な熱を冷ます作用があります。そのため、風邪などの発熱時に効果があると考えられます。
一方、ビタミンCは熱に弱いという特徴がありますが、漬物にすると壊れずに活かされるため、こちらも風邪や美肌への効果が期待されます。一般的には、塩分を多量に使う漬物を食べると血圧が上がるといわれています。しかし白菜漬けの場合には、白菜に含まれるカリウムがナトリウムを排泄して、塩分の過剰摂取のリスクを軽減するようです。
そろそろ温かい料理が恋しくなる季節ですが、白菜を使った栄養豊富な鍋料理などはいかがでしょうか。

玉葱
平成21年10月27日
「食材の薬効 〜たまねぎ〜」のお話 
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たまねぎ独特の辛みと香りは、硫化アリルという成分によるものです。切る時に涙が出るのは、硫化アリルの揮発性成分が目の粘膜を刺激するためです。
硫化アリルには、血液をサラサラに保ち、動脈硬化を防ぐ効果があるといわれています。また、消化液の分泌や新陳代謝を促進し、ビタミンB1の吸収を高める作用もあります。そのため、ビタミンB1が豊富な豚肉などと一緒に摂取すると、非常に効果が高まります。
硫化アリルの効果は加熱すると減少してしまいますので、生食をおすすめします。また硫化アリルは水溶性であるため、水にさらさず、酢などを上手に使って辛みを抑えると良いようです。
ビタミンCは、短時間での油炒め程度であれば、かなりの量が残存します。たまねぎの栄養成分は、食物繊維と糖質がやや多めで、主なものは果糖です。そのほかにカルシウムとリンも含んでいます。
アミノ酸の種類は20種以上も含まれており、多いのはアルギニン、グルタミン酸です。また、たまねぎの外皮(薄皮)に多く含まれているクエルセチンには、抗酸化・血糖降下・抗がん・血圧降下作用などの働きがあります。外皮を摂取される方は多くないと思いますが、「たまねぎのお茶」として商品化もされているようです。
紀元前から、薬効のある食材として摂取されてきたたまねぎ。多種多様なメニューに味を添え、日常的に何気なく食すことが多いかもしれませんが、栄養価の特徴を理解し、効率的な摂取を心がけたいものです。

柿
平成21年10月20日
「優れた効用を持つ果物〜柿〜」のお話
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柿の原産地は中国ですが、日本で食用されている果物の中で最も古い歴史があります。
北海道を除く全国各地で栽培されており、1,000種類以上の品種があります。まさに日本を代表する果物のひとつといえます。
昔から「柿が色づくと医者が青くなる」とされてきましたが、これは柿の栄養価が高く、優れた果物であるためです。
薬膳料理などにも柿は多く用いられています。柿の主成分は糖質で、ブドウ糖、果糖、しょ糖を多く含み、エネルギー化が早いという特徴があります。また、柑橘類に次いでビタミンCが多く含まれ、B1、B2、ミネラルなどの各栄養素もバランス良く含んでいます。
果肉がオレンジ色をしているのは、ベータカロチンの色素によるものです。ベータカロチンは、身体の中でビタミンAに変化するため、疲労回復や老化防止などに効果があります。
柿を生で食べると、大きめのものであれば1個で一日に必要なビタミンCを摂取することができます。干し柿にすると、生柿の時より糖分が4倍、ビタミンAが2倍近くに増え、疲労回復効果が増えます。また干し柿の表面につく白い粉(柿霜=しそう)には、喉の粘膜をうるおし、咳を止める作用があるといわれています。
柿の渋みは「シブオール」と呼ばれるタンニンですが、タンニンには血圧を下げる作用があります。また同時に含まれているカリウムに利尿効果があるため、柿は飲酒時や二日酔いに最適な果物として知られています。ただし、タンニンが鉄分と結びつくと貧血が起きやすくなるため、貧血症の方は食べ過ぎないことが必要です。
最近では、柿の葉も注目を浴びています。葉には、「自然のビタミンC剤」といわれるほど多量に含まれており、喫煙や飲酒で欠乏しやすいビタミンCを補うのにピッタリで、若葉を使った天ぷらや和え物、サラダなどで摂取すれば、効用を生かすことができます。
美味しい柿を選ぶコツは、ヘタと果肉の間に隙間のないものを選ぶことだそうです。旬の時期、美味しい柿を効果的に召し上がって健康管理にお役立てください。

ニンジン
平成21年10月13日
「ニンジン」のお話
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ニンジンは、アフガニスタン原産で、西トルコを経てヨーロッパに伝わった西洋系品種と、中国に伝わった東洋系品種の2種類に大別されます。
現在、日本で主に出回っているのは西洋ニンジンで、江戸時代後期に伝わったといわれています。
ニンジンは、根を食べる野菜としては珍しい緑黄色野菜です。特有のオレンジ色はカロチンの色素で、「カロチン」の名も「キャロット」に由来していることから分かるように、非常に豊富に含まれています。
カロチンは体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは、皮膚や粘膜の保護、風邪の予防、 高血圧、夜盲症、乾燥肌、冷え性、疲労回復などに効果があり、最近では抗酸化作用によってガンの予防にも効果があると注目されています。
約50gのニンジンで、成人が1日に必要な量のビタミンAを摂取することができます。カロチンには油に溶けやすいという特徴があるため、油やバターを使って調理すると吸収率が高まります。
また、カロチンの成分は皮の部分に多く含まれており、皮付きのまま調理するか、皮を除く場合には薄くむくと良いようです。また、あまり通常は食用として出回りませんが、実はニンジンの葉にはビタミンA(根の2倍)を始め、タンパク質(同・3倍)、カルシウム(同・5倍)、 脂質、鉄分、ビタミンCなど、根以上に豊富な栄養素が含まれています。葉の部分は、店頭に並ぶときには取り除かれることが多いですが、入手したときには捨てずに食べたいものです。
地域によっては、夏の葉物としてニンジンの葉(呼称:ニンジン菜、葉ニンジン)も出回っているようです。
食欲の秋ですが、食材の持つ効用を知り、栄養バランスの取れた身体にやさしい食事を心掛けましょう。

ぶどう
平成21年10月6日
「秋の味覚 〜ぶどう〜」のお話
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ぶどう栽培の歴史は古く、太古の時代から人類に親しまれてきました。原産地は、アジア東部、アジア西部、北米大陸の三つに大別することができます。
日本で最も古くから栽培されている甲州ぶどうは、1186年に山梨県勝沼町で発見されたもので、栽培が始まったのは鎌倉時代(1192〜1333年)であるといわれています。新鮮なぶどうは、軸が緑でピンと張りがあり、色が濃く、皮に白い粉が付いているようです。この皮の白い粉は果粉といい、果物の水分蒸散を防ぎ鮮度を保つ働きがあります。
ぶどうに含まれる糖類(ブドウ糖や果糖)は、体で早く吸収されエネルギー源となるため、疲労回復や療養中などの栄養補給に適しています。また、ビタミン・鉄・カリウム・カルシウムなどの豊富なミネラルも含まれており、貧血予防・血圧降下作用・利尿作用等の効果も発揮します。
そして最近、ぶどうに含まれるペクチン(食物繊維の一種)の分解物に、殺菌効果・血液の凝固調節・抗腫瘍性・免疫作用の適正化・ガンの転移抑制・コレステロールの減少など多くの効果があることが明らかになってきました。もちろん、食物繊維としての整腸作用・ガン予防作用・腸内細菌のバランス保持など多くの機能もあります。
さらに、ぶどうの中に含まれる酒石酸とリンゴ酸は、腸内で悪玉菌の増殖を抑制し、ビフィズス菌などの善玉菌を増やします。これにより、腸内細菌の良いバランスを保持する効果があります。
皆さんもご存知のポリフェノールも多く含まれており、抗酸化作用による動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・がんなど、あらゆる病気の原因とされる活性酸素を効果的に除去する物質としても注目されています。
ぶどうの皮の色素成分であるアントシアニン、渋みの元であるタンニンやカテキンもポリフェノールの一種です。赤ワインにたくさん入っていると注目されブームになりましたが、日本人は西洋人に比べ遺伝的にアルコールに弱い体質の人が多いため、お子様やお年寄りでも飲めるぶどうジュースがお勧めです。
日本ではおもに生食で摂取されるぶどうですが、加熱・加工することで抽出される優れた成分もあります。例えば干ぶどうはカリウムが生の約7倍になり、食物繊維は4倍ほどになります。また鉄分が多くなり、貧血の人には最適です。
旬のぶどうをうまく摂り、健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

さつまいも
平成21年9月29日
「秋の味覚 〜さつまいも〜」のお話
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甘くてホクホクとしたさつまいも。原産地は中央アメリカで、新大陸を発見したコロンブスがスペインに持ち帰り、急速に広がりました。日本では、江戸時代に植物学者である青木昆陽が普及に努めたことが有名です。この普及の結果、悪天候条件でも育つほど栽培が簡単なことから、飢餓を救う作物として脚光を浴び、全国に広がりました。
さつまいもの主な栄養素は、100gあたりに30g弱も含まれるデンプン(糖質)で、たんぱく質や脂肪はごくわずかです。注目したいのは微量栄養素で、ビタミン・ミネラル・食物繊維・その他多価不飽和脂肪酸などが含まれています。さつまいもに含まれるビタミン類の主要なものはB1とCですが、ビタミンCの含有量はじゃがいもを超え、さらに加熱をしても損失が少ないという特徴があります。
また、ミネラル類としてはカリウムやカルシウムが多く含まれ、血圧調整や骨粗しょう症予防にも役立つ効果があります。加えて、さつまいもの皮の赤色はポリフェノールによるもので、可食部の黄色はカロチンによるものです。これらの成分も、体内で抗酸化物質としての機能を発揮し、動脈硬化の予防に役立つものと考えられています。
また、さつまいもの栄養価で忘れてはならないのが食物繊維です。さつまいもがヘルシーな食品として知られる最大の理由は、お通じを良くしてくれるからだといえます。特徴としては、ペクチンやアルギン酸など水溶性の食物繊維が100g中に2g以上含まれている点が挙げられます。また、皮の部分を含め水に溶けない非水溶性の繊維としてセルロースも多く含まれています。
さらに、さつまいもに含まれるデンプンは小腸で分解・吸収されにくいアミロースを主体としていますので、食べた量の約3割は未消化のまま大腸に到達します。これが腸内細菌のエサとなり、発酵現象を生じることになります。つまり、さつまいものデンプンは腸内細菌の栄養源となり、その際に産出される短鎖脂肪酸が腸の動きを活発にしてくれるのです。
さつまいもの栄養価を無駄なく摂取するには、皮ごと食べるのが最もよいと思われます。これから徐々に冷え込む季節となりますので、焼いたり蒸かしたさつまいもを召し上がってみてはいかがでしょうか。

栗
平成21年9月22日
「秋の味覚 〜くり〜」のお話
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秋の味覚として人気の高い栗。秋になると、栗を使った料理やお菓子があちこちで見られます。栗には日本栗・中国栗・アメリカ栗・西洋栗の4種類があり、それぞれ形や風味も異なります。日本で食用とされていた歴史は古く、縄文時代から栽培されていたようです。
おなじみの天津甘栗は中国栗で、甘くて小粒なのが特徴です。羊羹や茶巾しぼり、マロンケーキなどのお菓子や、料理の付け合わせとしての印象が強い栗ですが、糖質、食物繊維、ビタミンC、カリウム、カルシウムを多く含んでいます。その他にも、ビタミンB1・A・E、鉄分、たんぱく質、脂質などの栄養素も含んでいます。
特に栗に含まれるビタミンCは、デンプン質に包まれているため加熱しても壊れにくいのが特徴です。ビタミンCは熱に弱いという特性があります。しかしデンプン質に包まれていると、加熱によりこのデンプンが糊状に変化し、ビタミンCの栄養素を封じ込めます。
ご存知のように、ビタミンCには肌のトラブルを防ぎ、体内の抵抗力を高める効果がありますが、栗のビタミンCは加熱しても効率的に摂取できるということになります。
さらに、渋皮に含まれるタンニンには強い抗酸化作用があり、老化防止、がん防止に有効です。また、栗には胃腸の働きを活発にし、内臓機能を強化する作用や、身体を温め血行を促進する作用もあります。
ただし、栗には炭水化物も多く含まれ高カロリーです。ダイエット中の方は、食べ過ぎにくれぐれもご注意を。

旬のきのこ
平成21年9月15日
「秋の味覚 〜旬のきのこ〜」のお話
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先週の椎茸に引き続き、今回はきのこ類全般についてご紹介します。きのこ類は、水分、蛋白質、繊維質、無機質、ビタミン類などから組成されており、次のような効果があります。
  1. 骨粗鬆症の予防効果:カルシウム代謝に重要な役割を果たすビタミンDを多く含むため
  2. 健康的なダイエット効果:低カロリーでビタミンやミネラルが豊富なため
  3. 便秘予防:食物繊維が豊富なため
  4. 血圧の低下・抑制:椎茸に含まれるエリタデニンという特有成分に、血中コレステロール値を下げ、血流をスムーズにさせる効果があるため(先週のコラムを参照)
  5. 免疫の活性化・抗腫瘍効果:多糖類(ベータ‐グルカン)がウィルスに対する抵抗力を高めるため食物繊維が特に多いのはシメジで、なめこのヌルヌルとした粘液の基であるペクチン質(酸性多糖類)は、動脈硬化を防ぐといわれています。
まいたけは多糖類(グルカン)を多く含有し、低下した免疫機能を回復させ、ガン細胞の増殖を食い止める働きを持っています。また、このグルカンは食物繊維の一種で、腸を刺激し老廃物などの排出を促します。
きのこは、毒を持たないものは全般的に非常に身体に良い食品です。旬であるこの時期、いろいろと工夫して食事に摂り入れてみてはいかがでしょうか。

旬の椎茸
平成21年9月8日
「秋の味覚〜旬の椎茸〜」のお話
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店先に並ぶ食材も様変わりし、気候の変化とともに秋の到来が感じられるようになってきました。これから秋の味覚「椎茸」を紹介したいと思います。
椎茸は、炭水化物(糖質と繊維質)とタンパク質が主な成分となっていますが、カルシウム、鉄分等の無機質や野菜の2倍以上のビタミンB群、野菜に含まれていないビタミンDも多く含んでいます。
椎茸にたくさん含まれる食物繊維は、腸の中で有用な細菌を増やすとともに、コレステロールや発ガン物質を吸着して体外への排出を速めるため、ガンや成人病予防に効果があるといわれます。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を促す効果があります。特に乾椎茸は、生鮮きのこと比較し約9倍のビタミンDを含んでいます。これは、椎茸に含まれているエリゴステロールという成分が、乾燥によってビタミンDに変化するためです。
乾椎茸2枚程度で、一日の必要量を摂取することができます。また椎茸には、エリタデニンという他のきのこ類にはない特有の成分が含まれています。エリタデニンは血液中の悪玉コレステロール値(LDL)を下げ、善玉コレステロール値(HDL)を高め、総コレステロール値を下げる働きをします。この働きにより、血流の障害防止ができるため、血圧低下も期待できます。ただし、この効果は一過性のため、椎茸を継続的に摂取することが必要といわれています。 
このように、低カロリー食品としてもよく知られる椎茸には、さまざまな効果があります。秋の味覚・椎茸を上手に摂取しながら、健康的な「食欲の秋」をお迎えください。

西瓜(すいか)
平成21年9月1日
西瓜(すいか)のお話
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今日からもう9月だというのに、まだまだ暑い夏が続いている感じです。夏といえば西瓜(すいか)といえるでしょう。
旬の食物が健康に役立つという「薬膳」の考え方を代表する果物のひとつ西瓜(すいか)は、アメリカ西南部が原産地で、4000年前にエジプトで栽培されていたといわれています。日本に渡ってきたのは16世紀で、品種改良を重ねるうちに明治時代頃から一般に出回るようになりました。
西方から伝わった瓜とということから、漢字で「西瓜」と書きます。スイカには体を冷やす効果があり、夏の暑い日や風邪で熱があるときにはもってこいの果物です。スイカは90%以上が水分であることをご存知の方も多いと思いますが、栄養成分としてはカリウムが含まれており利尿作用があるため、むくみに効果があります。
また、アミノ酸の一種である「シトルリン」という成分が含まれ、この成分によって血圧を下げる効果もあります。「シトルリン」はスイカの他にはゴーヤにも含まれています。意外なことに、果実部分よりも皮に優れた利尿効果があります。果実だけでなく皮も、漬物などで召しあがることをお勧めします!

熱中症
平成21年8月25日
熱中症について
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熱中症について夏本番を迎え、暑い日が続いていますが、連日のようにニュースでは「熱中症」による被害が報道されています。
熱中症とは、高い気温の環境下で生じる障害の総称です。人間の体は、暑いところでは汗をかき、体内の熱を逃して体温を調節する機能が備わっています。しかし体内の水分や塩分が不足すると、この機能のバランスが崩れさまざまな症状が表れます。
熱中症は、熱けいれん→熱失神→熱疲労→熱射病と、症状や重度により分類されます。最も重い症状の熱射病になると、体温の上昇によって中枢機能の異常が起こり、話し掛けても返事がない、ろれつが回らない、意識がないといった症状が表れ、死に至るケースもあります。
熱中症は、子どもやスポーツ中の若者などによく見られますが、高齢者も油断はできません。特に65歳以上の高齢者は要注意です。その理由として、体温調節機能の衰退や何らかの疾患を抱えているケースが多いこと、加齢によりのどの渇きを感じにくく水分が不足しがちということが挙げられます。クーラーを嫌う高齢者が、密閉性の高い住宅内に一人でいるような場合も要注意です。
熱中症は、涼しい環境を作ること、汗をかくような状況ではこまめに水分や塩分補給をすること…などのちょっとした心掛けで防ぐことができます。また、熱中症は戸外だけで起こるとは限りません。車の中や閉鎖された室内でも発症する可能性がありますので、換気を十分にしましょう。

コラーゲンについて
平成21年8月18日
コラーゲンについて
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紫外線が多く、お肌の日焼けが気になる季節となりました。お肌と言えば、「コラーゲン」を連想される方が多いと思います。そこで今回は、お肌のみならず、私たちの体に大切な成分・コラーゲンについてお話します。
コラーゲンはたんぱく質の一種です。人の体は、水分を除いた残り半分がたんぱく質で成り立っているといわれます。そのたんぱく質のうち30%〜40%がコラーゲンで占められるため、とても大きな存在なのです。特に、皮膚の70%、骨の20%はコラーゲンで形成され、血管、血液、筋肉、眼球などにも多く含まれています。
コラーゲンには、骨にカルシウムを接着させる役割があり、丈夫な骨作りの役割の一端を担っています。そして、肌に対しては、ビタミンCと一緒に摂取すると、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出し、美しい肌を形成することになります。コラーゲンはたんぱく質系の食品に多く含まれますが、フカヒレ、牛肉、魚の頭、鶏の皮などに特に多く、ビタミンCとともに摂ると吸収力が高まります。このように全身に分布するコラーゲンには、現在13種類以上があることが知られています。種類や器官、臓器によって、その働きも異なると考えられています。
老眼になったり、関節が痛んだり、歯ぐきがもろくなったり、白髪や抜け毛が増えたりするなど、老化現象といわれる諸症状は、まさにコラーゲンの新陳代謝が衰えてきたことの現れであるといえます。ということは、新陳代謝を活性化すれば、老化現象を遅らせることも可能となり、からだの細胞を若々しく保つことができ、様々な病気の予防にもつながるといえますね。

ナスとキュウリ
平成21年8月11日
〜ナスとキュウリ〜
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お盆の時期になると、地方によってはナスやキュウリで作った牛や馬を供える風習があります。これは、先祖の霊が「キュウリの馬」に乗って一刻も早くこの世に帰り、「ナスの牛」に乗ってあの世へゆっくり戻って行くように、との願いを込めたものだそうです。また、洗った米の中に、ナスやキュウリなどを賽(さい)の目に刻んだものを混ぜ、蓮の葉の上に盛り付けた「水の子」が供えられることもあります。このナスとキュウリは、代表的な夏野菜です。今回は、この2つの野菜についてご紹介します。
ナスは成分の95%が水分で、主成分は糖質です。栄養的には際だった特徴がないものの、昔から、のぼせや高血圧の人が食べるとよいとされてきました。ほとんどの夏野菜には体を冷やす作用がありますが、特にナスの効果は高く、暑気あたりや体のほてりが強い時に食べると効果的です。皮の特徴的な紫色は、ナスニンという色素によるものです。
このナスの皮には、抗がん作用や老化防止効果で知られるポリフェノールが多く含まれています。またスポンジ状の果肉は油と相性がよく、揚げ物にすると植物油に含まれるリノール酸やビタミンEの摂取に役立ちます。
一方、キュウリも成分のほとんどが水分のため、栄養面で特に目立つものはありません。しかし利尿作用や体の老廃物を排出する効果のあるイソクエルシトリンという成分を含んでおり、むくみをとるのに効果があります。また、キュウリにはビタミンCを壊す酵素が含まれていますが、他の野菜と一緒に摂取する場合には、レモン汁やお酢を加えることでビタミンCの損失を抑えることができます。ぬか漬けにすると、ぬかに含まれるビタミンB1を吸収するため、疲労回復などへの効果が高くなります。
旬の野菜の効果を知り、うまく利用して体調の維持・管理に役立てましょう。

うなぎの蒲焼
平成21年8月4日
夏バテを防ぐために
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梅雨が明け、暑さが本格化するころに悩まされるのが夏バテです。
「夏バテ」とは、夏の暑い盛りに食欲減退となったり、冷たい水分の取り過ぎにより体調を崩してしまうといった症状のことをいいます。
夏バテの原因は、暑さではなく湿度の影響が大きいそうです。暑くなると汗をかくことにより体温を一定に保とうとします。そしてその際、塩分をはじめとしたミネラルが汗と一緒に流れ、ミネラルが失われてしまい、胃液の分泌低下を引き起こします。
また夏は、ついつい冷たいものを摂り過ぎがちですが、これは胃を冷やし、胃液の分泌低下の要因となるため、食欲不振、消化不良といった症状を引き起こしてしまいます。さらに、さっぱりしたものばかりを食べてしまうことで、ビタミン不足も起こります。
特に夏バテと一番関係が深いのはビタミンB1です。ビタミンB1は、食事から摂った糖質をエネルギーに変える役割があります。これが不足するとスムーズにエネルギーを作リ出せなくなってしまい、疲労感、脱力感といった症状が出やすくなります。ビタミンB1を多く含む食品(豚肉、うなぎ、玄米など)を摂って、ビタミンB1不足を防ぎましょう!!
また、温かい食品や香辛料などを食べて適度な汗をかくことで、体内を温めることも大切です。ビタミン、ミネラル不足を解消し、今年の夏は「夏バテ」知らずでいきましょう!

枝豆
平成21年7月28日
枝豆について
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じめじめとした梅雨のいや〜な季節も終わり、いよいよ夏本番となりました。こんな時はビールを飲みたくなる方も多いかと思います。そこで、ビールのおつまみの代表格「枝豆」についてお話します。
枝豆は大豆の成長過程で収穫したもので、豆と緑黄色野菜の良いところを多く含んでいます。たんぱく質、カルシウム、鉄のほかに、夏バテに効果があるビタミンA、ビタミンCも豊富に含まれています。
また枝豆には、アミノ酸の一種であるメチオニンが含まれており、ビタミンB1ならびにビタミンCと共に肝機能の働きを高めます。そのため二日酔いを防止する働きに効果があるのです。
さらに、高血圧の原因となるナトリウムの排出を助け、利尿作用を促すカリウムも多く含みますので、むくみの解消にも一役買っています。
のどの渇きをビールで潤すときには、ぜひ枝豆をおつまみにされることをお勧めします。ただし、繊維質が多い不消化物ですので、よく噛んで食べるようにしましょう!

マンゴー
平成21年7月21日
今が旬のマンゴー
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東南アジアやメキシコなどから輸入され、1年中出回っているマンゴーですが、梅雨の時期には沖縄や九州で栽培されている国産のものも出回ります。
マンゴーは、ビタミンCやカリウムを豊富に含んでいます。身体からナトリウムを出す働きがあるため、高血圧症の方によいとされています。
熟したものはベータカロチンが豊富で、成人病予防に効果があり、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。また、ビタミンAは目の疲れや目の乾きの防止と肌荒れ抑制に効果があります。ちなみに、まだ青いうちはビタミンCの含有量が多く、よく熟すほどベータカロチンの量が増えるそうです。
黄色の色素成分にはビタミンCの吸収を助け、抗酸作用を持つフラボノイドが含まれています。また、パパイヤと同じような消化を助ける酵素も含まれていることが分かっています。更に食物繊維も多く含まれており、腸の老廃物の掃除をし腸の働きも整えてくれるので便秘の解消にも効果があります。
マンゴーはウルシ科の植物で、果皮にはウルシオールというウルシ成分を含んでいます。そのため人によっては、かゆみが出たり、かぶれたりする場合があるので注意が必要です。
旬の時期にビタミンCが豊富で爽やかな「マンゴー」を食べて、疲れた身体を癒してみてはいかがでしょうか。

トマトの栄養
平成21年7月14日
トマトの栄養
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トマトには、「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるほど様々な効能があります。有名なものとしては、「リコピン」があります。
これはカロチンの一種で、赤色の素となっている成分です。そのため、赤色の濃いトマトほどリコピンが多く含まれていることになります。
リコピンは、老化の原因といわれる活性酸素を退治してくれる物質であり、老化防止作用、肌や皮膚を若々しく保つ作用、ガン予防など多くの働きがあるといわれています。また、血圧を下げる作用があるルチンも含みますので、高血圧の方にお勧めです。
ルチンには、血流を良くし脂肪の消化を促進する働きがあるため、お酒の飲みすぎなどによる胃もたれにも効果があります。
そのほかにも、風邪の予防に効果的なビタミンC、脂肪の消化・吸収を円滑にするビタミンB6、体内のナトリウムを排泄し高血圧予防に効果的なカリウムなどの栄養素が豊富に含まれ、便秘の改善にも効果がある食物繊維(水溶性)も含まれています。
他の野菜にはあまり含まれないリコピンを効率的に体内に取り入れるため、吸収率を高めるには、加熱することが良いようです。
またオリーブオイルとの相性が良く、一緒に調理するとさらにリコピンの吸収率がアップするようです。
トマトの美味しい季節、赤いトマトを食べて元気になりましょう!

トマトの歴史
平成21年7月7日
トマトの歴史
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一年中出回っているトマトですが、旬は夏です。みずみずしく甘酸っぱいトマトが出回る季節となりました。
そこで、今回はトマトについてお話しします。トマトはナス科トマト属の植物で、世界にはなんと約8000種類以上もあるそうです。
トマトの起源には様々な説があります。中でも有名なのは、南米ペルーで発祥したトマトが、10世紀頃のメキシコに伝えられ、栽培されて世界各地へ広まったという説です。当初は観賞用として栽培され、食用とされるようになったのは18世紀頃ということです。
日本では、1708年に「蕃柿(ばんがき)」の名で観賞用として紹介され、明治以前には食用ではなかったそうです。食物としてのトマトが普及してきたのは20世紀に入ってからで、大正時代の後半より品種改良が進みました。加工法もさまざまな工夫がなされ、現在では食卓に欠かせない食材となりました。
鮮度の良いトマトの選び方としては、ヘタの緑色が濃く、ピンと張りがあり新鮮なものが良いようです。しおれたり黄色っぽくなったものは鮮度が落ちており、皮に張りがあってずっしりしたものが良い状態です。
保存は穴のあいたポリ袋などに入れて冷蔵庫で。青いトマトは、常温で保存すると赤くなり、甘味も増します。旬のトマトを美味しく召し上がって下さい。
次週は、「トマトの栄養」についてご紹介します。「トマト」には偉大なパワーがあるのです!!

「キシリトール」について
平成21年6月30日
「キシリトール」について
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今月はじめの6月4日は「虫歯予防習慣の日」でした。と、いうことで少し過ぎましたが、今回は、「キシリトール」についてお話します。
最近の虫歯予防といえば、キシリトールがよく使われています。キシリトールは、多くの果物や野菜に含まれている天然の甘味炭水化物の一種です。特徴としては、口腔内細菌によって利用されない単糖アルコール(糖類の分子に水素を添加することによりアルコール基(-OH)を持つ糖質)で、静菌作用を有しています。また、エナメル質の初期脱灰巣に再石灰化をもたらす性質を持っていることから、虫歯予防に効果があるといわれています。
キシリトールを含む代表的な食品としては、プラム、イチゴ、ラズベリー、バナナ、ほうれん草、レタスなどが挙げられますが、これらの食品から虫歯予防に十分なキシリトールを摂取することは困難です。そのため、白樺、樫の木、とうもろこしの芯などに含まれているキシランという多糖を分解して、木糖(キシロース)にし、この木糖を高圧状態で水素添加して作られるキシリトールが一般に使用されています。
キシリトールは白色の結晶粉末で、甘味の強さは砂糖とほぼ同じでカロリーも同程度あります。しかし吸収が遅いため、実質的なカロリーは75%位だといわれています。血糖値に影響を及ぼさないことから、インシュリンの分泌を促す心配がないため糖尿病の患者さんの代替甘味料としても使われています。
美味しく食事を楽しむために歯はとても重要です。キシリトールと上手な歯磨きで健康な歯を保ちたいですね。

6月が旬の桜桃(さくらんぼ)
平成21年6月23日
6月が旬の桜桃(さくらんぼ)
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4月頃白い花を咲かせ、6〜7月に赤い小さな実をつけ、保存がきかないことから出回り期の限られている果物です。正式な名称は「西洋実桜(せいようみざくら)」です。
日本には江戸時代初期に中国から入ってきたものの普及せず、1872〜1875年にアメリカやフランスから導入されたものがもととなり、北海道や東北で栽培され独自の品種改良がなされるようになりました。桜桃(さくらんぼ)の品種は全世界で1000種を超えるといわれています。
日本生まれの品種といえば「佐藤錦(さとうにしき)」。育成者の佐藤栄助氏にちなんでつけられたそうです。1912年に「ナポレオン」と「黄玉」が交雑して生まれたと考えられています。6月中旬から下旬にかけて熟し、果皮の色は黄色地に鮮やかな紅色で「赤いルビー」とも呼ばれています。
桜桃の主成分はブドウ糖などの糖質で、カリウム、鉄、リンなどのミネラル成分。カロチン、ビタミンB1・B2が少しずつ含まれ、りんご酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸が酸味のもととなっています。アメリカンチェリーの赤い色はポリフェノールの一種アントシアニン色素です。国産とアメリカンチェリーを比べるとビタミン類は国産もの、ミネラルはアメリカ産のものが上まわっています。効能としては、疲労回復、食欲増進、疲れ目などに効果があります。
梅雨の鬱陶しい時期、見た目にも食味的にも癒し効果のある桜桃を召しあがってみてはいかがでしょうか?

グリーンアスパラガス
平成21年6月16日
今が旬のグリーンアスパラガス
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アスパラギン酸の名前の由来となったグリーンアスパラガスは、ヨーロッパで2000年以上も昔から栽培され、古くは薬用に使用されていました。日本においては、江戸時代に観葉植物として入り、明治時代に食用として使われるようになりました。
ご存知のように、アスパラガスにはグリーンとホワイトがありますが、これは栽培法の違いです。ホワイトアスパラガスは、若芽に日が当たらないように盛り土をした中で育て、日光に当たらないうちに収穫したもの。逆に日光をたくさん当てて育てたのがグリーンアスパラガスです。日光をたくさん当たった分だけグリーンアスパラガスの方が栄養価が高く、ホワイトアスパラガスはビタミンCが少し含まれている程度です。
グリーンアスパラガスは滋養強壮、疲労回復、スタミナ増強に効果のあるアスパラギン酸を含むことは勿論、穂先には、血管を丈夫にして動脈硬化や高血圧の予防に効果があるルチンが含まれています。そのほか赤血球のへモグロビンの合成に必要不可欠な葉酸(貧血の改善に効果)、肌に潤いと張りをもたらすビタミンA・C、肌の栄養となる血液循環の改善作用のあるビタミンE、吹き出物の原因となる便秘を予防する食物繊維を多く含んでいます。
太陽を一杯浴びてすくすくと育ったグリーンアスパラガスを食して疲れ知らず、お肌美人を目指しましょう!

アスパラギン酸
平成21年6月9日
アスパラギン酸について
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前回、たけのこに含まれる栄養素としてお話した「アスパラギン酸」について、もう少し詳しくご紹介します。
アスパラギン酸は、アスパラギン酸アミノフェラーゼという酵素の働きでできているアミノ酸で、最初にアスパラガスから発見されたことからアスパラギン酸という名が付けられました。アスパラギン酸を多く含む食品としては、豆類、大豆もやし、サトウキビなどがあげられます。
アスパラギン酸には三つの働きがあります。ストレスが溜まったり、病気になったりすると細胞内のビタミン・ミネラルを消費することにより、体液のバランスが崩れます。そこに足りなくなったカリウム・マグネシウムを細胞内に移送し、体液のバランスを保つ働きと、体内に備わっている「TCAサイクル」というエネルギーを生産するシステムが備わっています。
この回路が円滑に回ることでエネルギーが生産されますがビタミン(B類)・ミネラル(カリウム・マグネシウム)がないと代謝効率が悪くなりエネルギー不足となります。そのエネルギー不足となったところにアスパラギン酸はカリウム・マグネシウムを細胞内に移送することでエネルギーの生産効率を高める働きをし、また疲れの素となる乳酸を燃焼させ、エネルギーに変える働きも持っています。

たけのこ
平成21年6月2日
旬の食材・たけのこ
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たけのこの美味しい季節となりました。今回は、「たけのこ」についてお話したいと思います。「成長が早くて、旬日(じゅんじつ=「10日間」あるいは「短期間」)の内に竹になってしまう」ことから筍(たけのこ)という字が生まれたそうです。たけのこが日本に入ってきたのは、1736年(江戸時代)といわれています。孟宗竹、淡竹(はちく)、真竹などの種類がありますが、孟宗竹が一般的です。
鮮度の見分け方としては、切り口が茶色くなっているものは時間が経っているものであるため、切り口がみずみずしく皮につやがあるものが良いとされています。また穂先が黄色く、皮も薄茶色のものが若いたけのこであり、ずっしりと重いもののほうが新鮮です。
たけのこは、水分と繊維質が多いためご飯の1/5以下とカロリーが低い特徴があります。そのため血糖値も上昇しにくく、ダイエットに向いた食材です。さらにカリウムを多く含んでいるため、むくみ解消に役立ち、血圧降下作用もあります。疲れを解消するアミノ酸、アスパラギン酸の含有量も豊富なため、体が重い、だるいと感じたときにお勧めの食材でもあります。たけのこを食べて、疲労を吹き飛ばしましょう。

コエンザイムQ10(ビタミンQ)
平成21年5月26日
コエンザイムQ10(ビタミンQ)について
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平成13年に栄養補助食品として使用が認められた「コエンザイムQ10」。別名「ビタミンQ」と言います。その主たる働きは「体のエネルギーを生み出す」ことです。体の全ての細胞に存在し、心臓を動かすといったエネルギーを作り出すためには欠かせない成分です。
このエネルギーは、食事から摂った糖分や脂肪などからまかなわれ、エネルギーとして使う為には、体内で「ATP」という形に変換しなければなりません。この「ATP」を作り出す際に欠かせないのが「コエンザイムQ10」です。「コエンザイムQ10」が不足しているとどんなに食事を摂ったとしても十分なエネルギーとはなりません。
「コエンザイムQ10」は、体内でも作られる物質ですが、その生産量は20代でピークを迎え、その後は減少していきます。20代の各組織の補酵素Q濃度を100とすると、心臓だと40歳で約70%、80歳で50%以下と減少します。故に体外からの摂取が不可欠な栄養素となります。
筋肉に多く存在するアミノ酸「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」(バリン、ロイシン、イソロイシン)や「ビタミンB群」と一緒に摂ると、より効果的にその働きを発揮します。また、「コエンザイムQ10」を多く含む食品としては、イワシなどの青魚や豚肉、牛肉、卵、ピーナッツ、ブロッコリー、ほうれん草などがあり、油を使って調理すると吸収が良くなります。
ビタミンQ(コエンザイムQ10)を上手に摂って、老化防止と体力の回復。疲れ知らずの身体作りをしましょう!

新じゃが
平成21年5月19日
新じゃがの効能
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新じゃがとは、小型で丸く皮が薄く水っぽい春芋のことです。水分が約80%もあり、糖質約17%、タンパク質約2%、ミネラルはリンとカリウム、ビタミンCが豊富です。特に、「カリウムの王様」といわれるほど多量のカリウムを含有しています。
カリウムは余分な塩分を体外に排出し血圧を安定させるので、高血圧の予防や腎臓機能低下の予防に効果があります。ビタミンCはコラーゲンの合成を促し、粘膜にできた潰瘍を治したり予防するのに欠かせない栄養素です。風邪の予防や、ストレスに対する抵抗力を高めたり、ストレスによって作り出された活性酸素を排除するなど大きな効果があります。
更に、皮にはるクロロゲン酸が含まれ、ガンに直結する突然変異を予防することで知られています。通常ビタミンCは熱に弱いとされていますが、じゃがいもに含まれるビタミンは加熱しても壊れません。これは、でんぷん構造が緻密なことにより、ビタミンCが熱から守られるためです。皮付きでゆでた場合には、約75%のビタミンCが残るとされています。栄養素は皮の周辺に含まれているので、茹でてから皮をむく方が損失は少なくなります。
ただし、じゃがいもの発芽部分や日光にあたって緑色になった部分には、有毒配糖体ソラニンが多く含まれており、多量に摂取すると中毒を起こすので注意が必要です。

ミネラル
平成21年5月12日
ミネラルの働き〜体内における働き
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代謝とは、外部から摂取したエネルギーのもとになる食べ物を、体内で必要となる物質につくりかえて生体の成分にし、不要になった物質を外部に放出するという一連の化学反応のことをいいます。
代謝には1つの物質から新しい物質を合成するものと、1つの物質を別の物質に分解するものとがあります。この際、欠かせないのが酵素という物質です。この酵素が活性化して働くには、酵素の働きを補う別の物質であるビタミンやミネラルが必要となります。ビタミンやミネラルが不足すると酵素が完全な形にはならず、酵素本来の役目が果たせないことになります。そして、体内の化学反応である代謝がうまくいかず、体調がくずれてしまうのです。
酵素が役目を終えると酵素に含まれているビタミンやミネラルは排出されずに体内に溜り、必要なときに再利用されます。ビタミンやミネラルの必要量が微量なのはこのためなのです。また、サプリメント等で必要量以上に摂取しても体内に蓄積されることはないので注意しましょう。

キャベツ
平成21年4月28日
キャベツの効用
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キャベツには豊富なビタミンUが含まれており、胃腸薬に配合されるほど胃粘膜を保護する高い効果が期待できます。主な働きとして、「血流を高めて胃壁を丈夫にする」、「胃粘膜の分泌を高めて粘膜を強化する」というものがあります。さらに抗酸化作用もあるといわれており、胃の中の粘膜を増やし、抗潰瘍作用を高め、胃粘膜の修復を助ける役割もあります。今や日本人の死亡率1位になっているガンは、誰もがかかる危険性のある病気です。キャベツには、白血球を活性化させ、細胞のガン化を抑制する働きもあります。さらに、キャベツに含まれる成分「イソチオシアナート」にガンの予防効果が期待されています。これはイオウ化合物の1種で、アブラナ科の野菜に多く見られる辛み成分です。このイソチオシアナートには、酵素阻害作用や抗菌性があり、発ガン性物質によるガンの発生を抑制する働きがあり、特に食道、大腸、肝臓、肺などのガンに効果が期待できます。キャベツは、ガン予防に期待の持てる野菜と言えます。
ビタミンCは外側と芯側の葉に多く、ビタミンUは内側にいくほど多く含まれているので、外葉や芯も、中の葉と混ぜて丸ごと食べましょう。やわらかな春キャベツは生食だけでなく、火を通してもおいしいもの。かさも減るのでたくさんいただけます。但し、熱の加えすぎには注意しましょう。
来週は、祭日のためお休みです。次回は5月12日ですので、お楽しみに!

グレープフルーツ
平成21年4月21日
「グレープフルーツ」のお話
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さて、今週は、ビタミン類の宝庫「グレープフルーツ」のお話です。グレープフルーツはビタミンCをはじめとするビタミン類が豊富に含まれているほか、低カロリーなので血糖値の高い人やダイエット中の人にもおすすめです。ビタミンCが他の柑橘類よりも多く含まれ、1個で1日に必要なビタミンCの半分以上を摂ることができます。しかも、ビタミンCの吸収率を高めるフラボノイドやクエン酸も多く含まれています。
ビタミンCは体内で免疫力を高め、感染症やガンを予防する効果があるほか、抗ストレス効果もあります。薄皮に含まれているリモネンにも同様の効果があり、相乗効果でイライラなどの気持ちを解消してくれます。
またビタミンCはコラーゲン生成に欠かせない成分でもあります。コラーゲンは血管や皮膚、粘膜などを丈夫にする働きがあるほか、肌にハリを与え、美肌効果もあります。
果皮や袋、皮の裏側の白くてふわふわした部分などには食物繊維のペクチンが多く含まれています。ペクチンには抗酸化作用や消炎作用があり、老化の予防になります。
また整腸効果もあり、便秘がちの人にもおすすめです。最近の研究では、グレープフルーツ中のペクチンなどの働きにより、血中コレステロール値を大幅に下げる効果のあることがわかっています。
さまざまな効果があるグレープフルーツですが、ある種の薬と合わせて飲むと副作用を引き起こすことがあります。薬剤を使用される方は、注意しておく必要があります。

絹さや(さやえんどう)
平成21年4月14日
「絹さや(さやえんどう)」のお話
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さて、今週は、免疫力アップは「春菊」のお話です。春菊は、豊富な栄養素を含む優れた緑黄色野菜です。主に、ビタミンB1、B2、C、鉄分、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素を含んでいます。
特に、ベータカロチンは、ほうれん草や小松菜を上回る含有量です。そのため、抗酸化作用により活性酸素の働きを抑制し、ガン予防のほか、肌の老化を防ぐ美容効果もあります。
春菊の持つ独特な香りは、α―ピネンやベンズアルデヒドなどの成分によるものです。この香りは自律神経に働きかけ、胃腸を丈夫にしたり、咳を鎮めたりという作用があるといわれています。
また古くから春菊は、のぼせを鎮めて回復力や抵抗力を高める効果があるとして、漢方においても珍重されてきました。風邪対策としても効果があるようです。
鍋料理でよく見かける春菊ですが、煮すぎると独特の香りと風味が飛んでビタミンCが損なわれます。
鍋に入れるときには、煮過ぎないようにしましょう。

イチゴ
平成21年4月7日
イチゴで健康〜っ
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さて、今週は、イチゴ。イチゴにはビタミンCが100g中およそ50mg含まれています。これはみかん以上です。普通サイズのいちごを5〜6粒食べれば、1日の必要量を摂ることができます。また、疲労回復に効果があるクエン酸も含まれており、いちごを食べることで疲労回復、風邪の予防になるともいわれています。ビタミンCには、血管などを柔軟に保ち、肌などの老化を防ぐ効果があります。
このほか、発がん物質ががん遺伝子を目覚めさせる作用(酸化作用)をおさえる働きもあり、最近よく聞く活性酸素の害から身体を守るともいわれています。ただし、ビタミンCは水に溶け出しやすく、熱に弱いという特性を持っています。
生で食べることが多いイチゴは、ビタミンCを効率よくとれる食品なのです。また、ビタミンCは2〜3時間で排泄されてしまうので、1日に何度かに分けて食べた方がより効果的なようです。ビタミンCの他にもミネラル、ポリフェノール、食物繊維などが含まれています。また、イチゴの赤い色素はアントシアニン系の色素で、ポリフェノールも含まれており、体の中の活性酸素を撃退する抗酸化作用を持っています。ミネラルとしてはカリウムが豊富。